プールサイドを…走ったからにはソレそおおの罰をうけてもらう!

maya04082005-07-18

朝9:30、窓際に置いていた化粧水が沸騰している。

今日はYとこの灼熱の中、4日前に出産した友人のお祝いに行く約束をしていた。
Yのマンションのドアを開けると米の発酵したにおいが部屋一面に立ちこめていた。YとKとKの友人が二日酔いでもだえている。

海の日の今日、きっとおおよその人がビーチにくり出してトロピカ〜ル恋して〜ルするために日焼け止めを塗りたぐっている頃だろうが、私たちは自転車で病院に向かうために日焼け止めを塗る。日焼け止め独特の異臭が赤ん坊のトラウマにならないかが心配だ。

12:00、祝日の病院はひんやりしていて心地良い。薄暗い廊下で、老夫婦とすれ違った気がしたが、もしかして人じゃなかったかもしれない。連日の暑さにまいっていた私が、ここで漫画制作したい。とつぶやくとYは「そうだね。発狂しても安心だ」と案内の精神科の文字をなぞる。私が発狂するのはネームの時だけだ。
 
エレベーターで三階へ。特にエレベーターを母体の中にみたてたりはしない。
緑のカーテンの中で、3000グラムの人間がグラビアアイドルなみの巨乳をむさぼっていた。
客観的に観ても、とても整った顔立でかわいいと思う。「生まれたばかりの赤ちゃんの顔ってすぐ変わるらしいから」と謙遜していたが、生後4日コンテストがあったら世界クラスだろう。しかしあくびをした時に一瞬、明和電気の腹話術人形のサバオみたいな表情になったので、私は『サバオ』と呼ぶことにした。(非公開)

じつは私には昔から結婚願望や出産願望が人より薄い。
幼少の時分、与えられた赤ちゃんの人形を、風呂に入ると髪の毛の色が変わって怖い。という理由で投げ捨てたくらいだ。(というかアレは大人になった今、冷静に考えてもなぜ髪の色が変わらなければいけないのか意味がわからないし、もしそんな赤ん坊が存在したら単純に怖い。)
なので、同級生の赤子を観れば、そういう気持ちが盛り上がるかもしれない!という打算も含めていたのだ。が、まったくそんな事はなかった。

私はこのひとりの人間の人生(最低20歳まで)24時間年中無休の責任を持たなきゃないと考えるだけで気が重くなる。今は自分の事だけで頭がいっぱいだ。
と言うと母親になった友人は
「それは大丈夫なんだ。なんとかなるんだよ。」と静かに言った。
それがあまりに迷いの無いまっすぐな目だったので、喉の奥に何かが詰まった。
しかし5分後には、乳が出し入れしやすい様につくられている妊婦用パジャマは
出産後もエロパジャマとして活用可能か?という議題に入っていた。


サバオの将来が明るいものであります様にと願う。
サバオって名前じゃないけど。