宗介 15歳 夏

*注意 ネタバレ有り







「だいたいお腹が丸いから『ポニョ』だなんて、宗介は女の子に対して昔からデリカシーが無いのよ!」
なんの話の切れ端から思い出したんだろう?
ポニョはそう言ってその丸い頬をさらに膨らませた。


僕は宗介、15歳。ごく普通の中学生だ。

崖の上にある家に母親のリサと船乗りであまり家に帰ってこない父の耕一と
許嫁のポニョと暮らしている。

…許嫁
そう、僕には許嫁がいる。
そしてポニョは何故か魔法を使えたりもする。

「許嫁…なんて、それって十年も前の話でしょ?
子供の時に決めた事なんでしょ?…なのにどうして?」

「責任だから。そう約束したから」

なるほど思い出した
コレが彼女の大きな頬をさらに膨らませた引き金か。
それにしても何故こんなに怒る必要があるんだろう?
確かに言い方は少し悪かったかもしれない
けど
自分の言った言葉に「責任」を取るのは誠意のある事じゃないか。

そんな事を言いかけた途中で
「ポニョ ソースケ キライ!!」
と叫んだかと思うと
彼女は突然海にダイブしてすごいスピードで遠くへ泳いで行ってしまった。


「……魔法…使えよ…」